みなさんが住宅を購入するとき、不動産を相続したとき、会社を設立(起業)するときなどは司法書士が手続きを代理することができます。
法律に定められている手続きですので、難しい面もあり、専門家である司法書士が代わりに手続きを行うのです。
その手続きに対して私たちは報酬を頂くのですが、その報酬は各司法書士が自由に定めてよいとされています。
そうです、報酬は自由です。
以前は報酬基準といって、手続きの種類ごとに報酬額の幅が定められており、
どの司法書士に手続きをお願いしても、依頼する方が払う報酬に大きな差はありませんでした。
そのため報酬が自由となった今は、時々見積金額を他の事務所と比較されて、依頼先を決めるという方がおられます。
引っ越しのときに、複数の引っ越し屋さんから見積もり取るのと同じです。
それはいいと思うんです。
司法書士に手続きをお願いすることは、
多くの方が一生のうちに一回あるかないかくらいです。
相場もわからないはずです。
だから比較していただいていいのです。
ただ、ここで司法書士として考えるのは、安易な値下げ合戦のようなものが行われてはいけないということ。
法律に関する手続きで過度の価格競争が起こると司法書士という資格の制度の首を絞めるような気がしているのです。
自分たちの儲けがなくなるから言っているのではなく、
提供するサービス・成果とそれに対する報酬のバランスが崩れ、質の低下が起こってはならないと。
私は仕事の成果と責任といただく報酬はバランスが取れていなければならないと考えています。
そのため、単に言われた手続きだけを右から左にするように処理して報酬をもらうのではなく、
何らかの付加価値(依頼事項にプラスするアドバイスなど)を提供することで、
いただく報酬金額に納得していただく方に向かうべきです。
私はそういうスタンスで仕事をできるように心掛けていきたいと思っています。